|
|
|
1. | 腸管病原性大腸菌:小腸に感染して腸炎等を起こします。 |
2. | 腸管組織侵入性大腸菌:大腸(結腸)粘膜上皮細胞に侵入・増殖し、粘膜固有層にびらんと潰瘍を形成する結果、赤痢様の症状を引き起こします。 |
3. | 腸管毒素原性大腸菌:小腸上部に感染し、コレラ様のエンテロトキシンを産生する結果、腹痛と水様性の下痢を引き起こします。 |
4. | 腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生性大腸菌、志賀毒素産生性大腸菌):赤痢菌が産生する志賀毒素類似のベロ毒素を産生し、激しい腹痛、水様性の下痢、血便を特徴とし、特に、小児や老人では、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症(けいれんや意識障害など)を引き起こしやすいので注意が必要です。 近年、食中毒の原因となっているものは、O157がほとんどですが、腸管出血性大腸菌にはこの他にO26、O111、O128およびO145などがあります。 |
5. | 腸管凝集性大腸菌:主として熱帯や亜熱帯の開発途上国で長期に続く小児などの下痢の原因菌となります。我が国ではまだほとんど分離報告がありません。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ポイント 1 食品の購入
■ | 肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮な物を購入しましょう。 |
■ | 表示のある食品は、消費期限などを確認し、購入しましょう。 |
■ | 購入した食品は、肉汁や魚などの水分がもれないようにビニール袋などにそれぞれ分けて包み、持ち帰りましょう。 |
■ | 特に、生鮮食品などのように冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら寄り道せず、まっすぐ持ち帰るようにしましょう。 |
ポイント 2 家庭での保存
■ | 冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。 |
■ | 冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。めやすは、7割程度です。 |
■ | 冷蔵庫は10度C以下、冷凍庫は、−15度C以下に維持することがめやすです。 温度計を使って温度を計ると、より庫内温度の管理が正確になります。 細菌の多くは、10度Cでは増殖がゆっくりとなり、−15度Cでは増殖が停止しています。しかし、細菌が死ぬわけではありません。早めに使いきるようにしましょう。 |
■ | 肉や魚などは、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁などがかからないようにしましょう。 |
■ | 肉、魚、卵などを取り扱う時は、取り扱う前と後に必ず手指を洗いましょう。 せっけんを使い洗った後、流水で十分に洗い流すことが大切です。 簡単なことですが、細菌汚染を防ぐ良い方法です。 |
■ | 食品を流し台の下に保存する場合は、水漏れなどに注意しましょう。また、直接床に置いたりしてはいけません。 |
ポイント 3 下準備
■ | 台所を見渡してみましょう。 ゴミは捨ててありますか? タオルやふきんは清潔なものと交換してありますか? せっけんは用意してありますか?調理台の上は かたづけて広く使えるようになっていますか?もう一度、チェックをしましょう。 |
■ | 井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意してください。 |
■ | 手を洗いましょう。 |
■ | 生の肉、魚、卵を取り扱った後には、また、手を洗いましょう。 途中でペット等動物に触ったり、トイレに行ったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりした後の手洗いも大切です。 |
■ | 肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べる物や調理の済んだ食品にかからないようにしましょう。 |
■ | 生の肉や魚を切った後、洗わずにその包丁やまな板で、果物や野菜など生で食べる食品や調理の終わった食品を切ることはやめましょう。 洗ってから熱湯をかけたのち使うことが大切です。 包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて、使い分けるとさらに安全です。 |
■ | ラップしてある野菜やカット野菜もよく洗いましょう。 |
■ | 冷凍食品など凍結している食品を調理台に放置したまま解凍するのはやめましょう。室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があります。 解凍は冷蔵庫の中や電子レンジで行いましょう。また、水を使って解凍する場合には、気密性の容器に入れ、流水を使います。 |
■ | 料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。 解凍した食品をやっぱり使わないからといって、冷凍や解凍を繰り返すのは危険です。 冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖したりする場合もあります。 |
■ | 包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使った後すぐに、洗剤と流水で良く洗いましょう。ふきんのよごれがひどい時には、清潔なものと交換しましょう。漂白剤に1晩つけ込むと消毒効果があります。 包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけたりすると消毒効果があります。たわしやスポンジは、煮沸すればなお確かです。 |
ポイント 4 調理
■ | 調理を始める前にもう一度、台所を見渡してみましょう。 下準備で台所がよごれていませんか?タオルやふきんは乾いて清潔なものと交換しましょう。そして、手を洗いましょう。 |
■ | 加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。 加熱を十分に行うことで、もし、食中毒菌がいたとしても殺すことができます。めやすは、中心部の温度が75度Cで1分間以上加熱することです。 料理を途中でやめてそのまま室温に放置すると、細菌が食品に付いたり、増えたりします。途中でやめるような時は、冷蔵庫に入れましょう。 再び調理をするときは、十分に加熱しましょう。 |
■ | 電子レンジを使う場合は、電子レンジ用の容器、ふたを使い、調理時間に気を付け、熱の伝わりにくい物は、時々かき混ぜることも必要です。 |
ポイント 5 食事
■ | 食卓に付く前に手を洗いましょう。 |
■ | 清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。 |
■ | 温かく食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷たくしておきましょう。めやすは、温かい料理は65度C以上、冷やして食べる料理は10度C以下です。 |
■ | 調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。 例えば、O157は室温でも15〜20分で2倍に増えます。 |
ポイント 6 残った食品
■ | 残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。 残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。 |
■ | 残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。 |
■ | 時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てましょう。 |
■ | 残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。めやすは75度C以上です。 味噌汁やスープなどは沸騰するまで加熱しましょう。 |
■ | ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。口に入れるのは、やめましょう。 |
「6つのポイント」はこの三原則から成っています。
|
|
|
(1) | 野菜は新鮮なものを購入し、冷蔵庫で保管するなど保存に気をつける。 |
(2) | ブロッコリーやカリフラワーなどの形が複雑なものは、熱湯で湯がく。 |
(3) | レタスなどの葉菜類は、一枚ずつはがして流水で十分に洗う。 |
(4) | きゅうりやトマト、りんごなどの果実もよく洗い、より安全というなら皮を むいて食べる。 |
(5) | 食品用の洗浄剤や次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤を使ったり、加熱する と殺菌効果がより高まります。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
○家庭での主な注意点は以下の通りです。
・水洗トイレの取っ手やドアのノブなど菌で汚染されやすい場所を逆性石鹸や消毒用アルコールなどを使って消毒する。
・患者本人は調理や食事の前及び用便後に流水(汲み置きでない水)で十分に手を洗い、逆性石鹸や消毒用アルコールで消毒する。
・家族の者も食事前などは流水で十分に手を洗う。
・患者の便を処理する場合(おむつの交換など)にはゴム手袋や使い捨ての手袋などを用いる。ゴム手袋を用いた場合には使用後に消毒する。また、おむつ交換の場所は決めておく。
・患者の便で汚れた下着は、薬品などの消毒(つけおき)をしてから、家族のものとは別に洗濯する。また、煮沸をしても十分な消毒効果があります。
・患者はできるだけ浴槽につからず、シャワー又はかけ湯を使う。
・患者が風呂を使用する場合は他の家族と一緒にはいることは避け、乳幼児は患者の後に入浴しないように気を付ける。風呂の水は毎日替える。バスタオルは、ひとりで一枚を使用し、共用しない。
|
|
|
|
|
|
|
|
*上記資料は厚生省より抜粋しました。